GPSで作業船をリアルタイムコントロール

港湾、海岸などの工事において、地盤改良作業を行うサンドコンパクション、サンドドレーン、CDM(Cement Deep Mixing:深層混合)などの作業船の作業位置への誘導を行うシステムです。

の概要

RTK-GPSを2台使用していて、位置だけでなく捻りもリアルタイムで修正することができるため、
パソコンの画面を確認しながら操船することで、容易に指定位置へ本船を誘導することが可能です。
トータルステーションなどによる従来型の誘導に比べ、視通を確保する必要がなく、また、天候に左右されないなどGPSの利点を生かすことができます。

の特長
  • リアルタイムキネマティック(RTK)GPSの精度が1センチメートル程度なので、船体の位置や捻りなどをセンチメートル単位で誘導できます。
  • 位置決め時のズレ量は解析用パソコンの内部に記録され、成果として印刷できます。
  • GPSを使用しているため、天候や時間帯などの制約を受けません。
  • 陸点には人員を配置しないで済みます。
  • 座標:工事に使用する座標は公共座標・ローカル座標のいずれでも可能で、誘導画面表示にも反映されます。
  • 座標系:日本国内1~19の座標系(新旧測地系対応)とそれに付随するローカル座標が使用できます。
  • 測地系:旧測地系(東京データム、日本測地系)と新測地系(JGD2000、世界測地系)の使い分けが可能です。
  • GPSの自動セットアップ機能を持っているので、GPSに詳しくなくても簡単に設定ができます。
  • その他、工区への進入方向、杭配置(三角~四角)、杭番号、個別杭の座標確認、固定局座標の補正、などの実用的な機能が満載です。
の用途

サンドコンパクション船、サンドドレーン船、CDM船などの各種作業船の位置決め。

ソフトウェア

パソコン上のソフトウェアは、GPSから得られた座標データを公共座標・ローカル座標等に変換し、指定された杭との距離を計算して画面に表示します。
ずれ量はパソコン内部に記憶され、印刷することができます。

プロジェクトを作成すると、プロジェクトフォルダが作成され、各種設定やデータがそのプロジェクトフォルダ毎に管理されます。
データのバックアップは、そのフォルダをコピーするだけです。

座標設定

旧測地系(東京データム、日本測地系)と新測地系(JGD2000、世界測地系)の使い分けが可能です。(相互変換機能はありません) 。

日本国内1~19の座標系(新旧測地系対応)はプリセットされていて、ソフトウェア内部で北緯東経←→公共座標←→ローカル座標の相互変換を行います。

誘導は公共座標・ローカル座標のいずれでも可能で、誘導画面表示にも反映されます。
(ローカル座標を使用する場合にはあらかじめ変換パラメータを入力しておいてください)。

使用するGPSの選択

NMEAフォーマットの出力ができるものであればメーカーは問いません。

使用するGPS受信機をリストから選択しますが、その中に無い場合はその他(NMEA GGK/GGA)を選択するとNMEAデータの受信ができるので対応できます。
なお、リストにあるGPS受信機をご使用の場合は自動セットアップを行うことができます。GPSのターミナルなどで設定する必要はありません。

工事設定

工区、杭番号、その他設定が簡単にできます。
工区は長方形の四隅座標を入力することで設定しますが、公共座標・ローカル座標のいずれでも可能です。

1(A)工区は公共座標、2(B)工区はローカル座標、というような使い分けも可能です。
杭番号はひらがな、かたかな、アルファベット、数字で、逆順も可能です。
杭配置(三角、四角)、杭間隔(X、Y別)、工区への進入方向、その他設定が可能です。
本体定数はあらかじめ計測して入力しておきますが、キャリブレーション機能で現場ごとに合わせることができます。

その他

簡易の潮位表示、ターゲット杭の設計座標とケーシングの現在座標、GPSの状況、背景色変更、 各種座標計算(ローカル変換パラメーターの計算、座標変換、他)、などの実用的な機能も満載です。

の仕様
GPS
型番 GS10
水平位置精度 水平精度: 8 mm + 0.5 ppm
高さ精度: 15 mm + 0.5 ppm
電源 3.2 W, 270 mA
アンテナ AS10
アンテナ重量 0.44㎏
受信信号 L1, L2, L5 GLONASS
受信チャンネル 120ch
補正データ Leica独自フォーマット(Leica, Leica 4G), CMR, CMR+
出力データ NMEA 0183 V 4.00
出力データ間隔 最大 20Hz
本体動作環境 -30~ +60° C(防水、防塵)
アンテナ動作環境 -40°C~ +70°C(防水、防塵、耐衝撃)
寸法 200 x 102 x 45 mm
重量 0.56g(バッテリー110 gを除く)
動作環境
OS Windows XP(Professional)/Windows2000
CPU Celeron 1GHz 以上または、それ相当
メモリー Windows XP の場合は512MB 以上、Windows 2000 の場合は、256MB 以上
空き容量 3GB 以上
シリアルポート 2ポート以上必要(RS-232Cポート)
USBポートまたはパラレルポート ライセンス用
構成機器
標準構成品
GPSアンテナ・受信機(固定局・移動局で合計3セット)
データリンク送受信機セット
パソコン
プリンター
固定局電源装置
固定局収納ボックス
移動局コンソールボックス
取扱説明書
オプション品
3周波GPS受信機
GPSアンテナ
データリンク送受信機

使用機器


  • 3周波GPS受信機


  • GPSアンテナ


  • データリンク送受信機

※使用機器は変更になる場合がございます。

のシステム構成図
の設置手順

基地局を設置する場所は電波を遮る高い建物などない上空が開けた場所に設置します。
電源はバッテリーとソーラーパネルから供給して駆動させています。
向かって右が衛星からの情報を受信するGPSアンテナで、左が受信したデータを移動局に送る無線送信機です。

乗船

移動局とパソコン設置を行うために作業船に移動します。

移動局GPSアンテナ取り付け

お客様にて設置いただいた船体の後方左右のポール2本(6~8m、足場付き)にGPSアンテナを取り付けます。
この作業は安全帯を装着して、細心の注意をはらって作業を行います。

船内にパソコン・受信機を設置

船内の操船室にパソコン・受信機を設置し、基地局からのデータを受信します。
画面には船体の絵が表示されどちらの方向に行けばいいか矢印が表示され、船体乗数で計算した杭の位置を出し目標のポイントまで船を誘導します。