NETISや情報化施工を使用した技術提案で総合評価対策に
コンクリート構造物をより長く・より美しく!
「鉄筋の腐食」は目に見えない時から始まっています!鉄筋構造物の内部鋼材の腐食(発錆度合)を物質の電気的な性質である電位や電気抵抗値を計測し比較することで、内部鉄筋の腐食速度を推定します。
ビルや橋などのコンクリート構造物の価値を長期にわたって維持するためには、これをささえる鉄筋の腐食速度を正確に把握し、計画的な補修を行うことが必要です。放置すれば腐食はどんどん深刻化、結果的に莫大な補修費が必要となります。そのため、国内においてさまざまな鉄筋の腐食診断装置が開発されていますが、腐食の程度および速度を正確に判断することはできず、また、装置が大きく重いため、高所や狭い場所での作業は非常に困難でした。そこで、これらの問題を一挙に解決し、鉄筋腐食診断をより高精度に、より簡単にしたのがCM-Vです。
CM-Vは、一カ所「はつり」出した鉄筋にリード線をつないで試料極(WE)とし、照合電極(RE)と2つの対極【センター対極(CCE)とガード対極(GCE)】を組み合わせた2重対極センサー※を、図りたい鉄筋のすぐ上のコンクリート表面に設置して使用します。
そして高低2周波の微弱な交流電流を流し、その時のインピーダンス値から腐食速度lorrと反比例の関係にある分極抵抗Rctを求め、コンクリート構造物の鉄筋の腐食範囲や腐食速度を評価します。(特許取得)
※新日本製鐵株式会社の特許許諾を得ています。
2重対極方式により、分極抵抗(腐食速度)を測定。より精度の高い測定が可能です。
液晶画面上に表示されるメニューの選択により測定条件などを指定できます。初心者でも簡単に取り扱うことができます。
測定場所が高所などの離れている場合、付属のセンサー支持脚を使用すれば、より安全確実に測定が可能です。
重量はわずか2.5kg(バッテリーを含む)。測定現場への持ち運びも便利です。また、バッテリー内臓のため、フィールドでの測定に威力を発揮します。
測定されたデータは、一旦記憶収録され、USBインターフェースを通じてパソコンに転送されます(Windows版専用ソフト付属)。また、Excelなどの表計算ソフトを使えば、さまざまなデータ加工も可能です。
代表的な高低2周波数の交流インピーダンス値から分極抵抗を求めてコンクリート中の鉄筋の腐食速度を評価します。
また、コンクリート抵抗やASTMに規定された自然電位も同時に測定することができます。
この場合、転送されたデータは、周波数の交流インピーダンス値(絶対値、位相、実数部、虚数部)と、それに基づいた見かけの分極抵抗Rct'(Ω)、真の分極抵抗Rct(Ωcm2)、腐食速度lcorr(μA/cm2またはmm/y)、見かけのコンクリート抵抗Rs'(Ω)、自然電位Ecorr(mV)の整理された数値リストとして印刷できます。
10Hzから0.1mHzまでの周波数域における交流インピーダンス測定を自動的に行うことができます。この場合、パソコンに転送されたデータは、周波数、インピーダンス(絶対値)、位相、実数部、虚数部の整理された数値リストとして印刷できます。また、コール・コールプロットの自動作図を行うことができます。
自然電位(E)(mV vs C.S.E.※1) | 鉄筋腐食の可能性 | 自然電位(E)(mV vs Ag/AgCl※2) |
---|---|---|
-200<E | 90%以上の確立で腐食なし | -80<E |
-350<E≦-200 | 不確定 | -230<E<≦-80 |
E≦-350 | 90%以上の確立で腐食あり | E≦-230 |
※1 C.S.E.:飽和銅硫酸銅照合電極
※2 Ag/AgCl:飽和銀演歌照合電極
分極抵抗測定値 Rct(KΩcm2) |
腐食速度推定値 | 腐食速度の判定※ | |
---|---|---|---|
腐食電流密度※ lcorr(μA/cm2) |
侵食度PDY (mm/年) |
||
130より大 | 0.2未満 | 0.0023未満 | 不動状態(腐食なし)または極めて遅い腐食速度 |
52以上130以下 | 0.2以上0.5以下 | 0.0023以上0.058以下 | 低~中程度の腐食速度 |
26以上52以下 | 0.5以上1以下 | 0.0058以上0.0116以下 | 中~高程度の腐食速度 |
26未満 | 1より大 | 0.0116より大 | 激しい、高い腐食速度 |
※ CEB(ヨーロッパコンクリート委員会)から提案されている判定基準